特定建築物の維持管理について権限を持っている方は、建築物衛生法に規定される、建築物環境衛生管理基準に従って、建物を維持管理しなければなりません。

建物環境衛生管理基準は、環境衛生上良好な状態を維持するのに必要な措置が定められていて、高い水準の快適な環境の実現を目的としています。

では、実際にどのような基準が設けられているのでしょうか。

1.空気調和設備を設けている場合の空気環境の基準

空気調和設備とは、「エア・フィルター、電気集じん等を用いて外から取り入れた空気等を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給・排出をすることができる機器及び附属設備の総体」のことを言い次の①~④のようなものがあります。

①空気調和機(エアフィルター・空気冷却器・空気加熱器など)
②熱運搬装置(ポンプ・配管・ファン・ダクトなど)
③熱源装置(ボイラ・冷凍機・配管・ポンプ)
④自動制御装置(温湿度制御・経済運転・安全用など)

空気環境の基準

ア 浮遊粉じんの量 0.15 mg/m3以下
イ 一酸化炭素の含有率

100万分の10以下(=10 ppm以下)

※特例として外気がすでに10ppm以上ある場合には20ppm以下

ウ 二酸化炭素の含有率 100万分の1000以下(=1000 ppm以下)
エ 温度

17℃以上28℃以下

居室における温度を外気の温度より低くする場合は、その差を著くしないこと。

オ 相対湿度  40%以上70%以下
カ 気流 0.5 m/秒以下
キ ホルムアルデヒドの量 0.1 mg/m3以下(=0.08 ppm以下)

2.機械換気設備を設けている場合の空気環境の基準

機械換気設備とは、「外から取り入れた空気等を浄化し、その流量を調節して供給することができる設備」のことを言います。
すなわち、空気調和設備の機能のうち、温度調整や湿度調整の機能を欠く設備のことです。

空気環境の基準

ア 浮遊粉じんの量 0.15 mg/m3以下
イ 一酸化炭素の含有率

100万分の10以下(=10 ppm以下)

※特例として外気がすでに10ppm以上ある場合には20ppm以下

ウ 二酸化炭素の含有率 100万分の1000以下(=1000 ppm以下)
エ 気流 0.5 m/秒以下
オ ホルムアルデヒドの量  0.1 mg/m3以下(=0.08 ppm以下)