特定建築物の維持管理について権限を持っている方は、建築物衛生法に規定される、建築物環境衛生管理基準に従って、建物を維持管理しなければなりません。


建物環境衛生管理基準は、環境衛生上良好な状態を維持するのに必要な措置が定められていて、高い水準の快適な環境の実現を目的としています。

その内の雑用水の管理基準についてご説明します。

まず雑用水とは、水道設備以外の設備を設けて、雨水、下水処理水を使用して、散水・清掃・水洗トイレ等で使う水のことです。
※トイレの手洗いやウォシュレットに使用する水は、飲料水の適用でなければなりません。

この場合は、次に説明する衛生上必要な措置を行い供給を行う必要があります。

具体的な管理基準について次の①~⑤のような内容が定められています。

①7日ごとに1回検査をして、給水栓における水に含まれる遊離残留塩素の含有率を百万分の0.1(結合残留塩素の場合は、百万分の0.4)以上に保持するようにすること。

※雑用水が病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合は、給水栓における水に含まれる遊離残留塩素の含有率を百万分の0.2(結合残留塩素の場合は、百万分の1.5)以上とすること。

②随時雑用水の水槽点検等を行い、有害物、汚水等によって水が汚染されないように必要な措置を行うこと。
③散水、清掃用水として使用する場合にはし尿を含む水を原水として使用しないこと。
検査を行い次の基準に適合するようにすること

7日ごとに1回 2ヶ月に1回
pH値  5.8以上8.6以下
臭気  異常でないこと
外観  ほとんど無色透明であること
大腸菌 検出されないこと
濁度 2度以下
④水洗トイレ用水として使用する場合は、検査を次の基準に適合するようにすること。

7日ごとに1回 2ヶ月に1回
pH値 5.8以上8.6以下
臭気 異常でないこと
外観 ほとんど無色透明であること
大腸菌 検出されないこと
⑤雑用水に健康被害のおそれがあることを知った場合は直ちに給水停止及び関係者への周知を行うこと。